「だろうな。そこでようやく思い出したんだ。あの時、バスに猛スピードのトラックが突っ込んできたことを」


重い声だった。


「全身から汗が吹き出た。俺これからどうなるんだろうって、頭ん中を色んな考えがぐるぐる巡って……呆然と立ち尽くしてたら……石段の上からうるせぇ声が聞こえてきたんだよ……」


「私と……陸……」