心臓はバクバクで鼻水を出して泣きながら走る。

道も何も分からないけれど、ひたすらに下を目指す。

ところが走っている途中で私は何かに躓いた。


「きゃ……」と悲鳴も上げ終わらない内に、体が転がり落ちる。

一瞬の出来事。


真っ暗で何も見えない中、ぐるんぐるんと体は回転を繰り返し山道を落ちていく。


「志津―?!」


後ろからその様子を見ていた悠太と陸は相当驚いたと思うし、焦ったと思う。