「き、気色悪いって何よーっ」


「女みたいに怖がるなよ!あぁ、気持ち悪いっ!!」


「怖いものは怖いんだもん!!」


やっぱり夜の裏山なんか来なければ良かった!

私と陸のやり取りを聞いて笑っている悠太の背中をばしっと叩く。


「悠太が裏山行こうなんて言うからー!」


半泣きで文句を言って地面を蹴った。

ローファーの先に石が当たってつまさきに響く。

私の行動を見てふたりは最初きょとんとした顔をしていた。

でもすぐに笑い出した。



「あははははははは」


「なっ、何よ!! 何がおかしいの!?」


「それと全く同じセリフ聞いたことあるな」


悠太が笑い涙を拭きながら言った。

同じセリフ……?

懐かしい記憶が脳裏をよぎる。


「あるある、本当、志津は成長しねぇなあ」


「えー!?」


私も同じセリフを言ったあの日を思い出した。

本当に私は成長していないのかもしれない……。