その日の夕方のトップニュースは、蜂の話題であった。


テレビ、ラジオ、新聞でも、かなり大きな扱いとなっている。




たった二百ほどのスパオオに、被害者が30人も出ているのである。

そのうち、死者二名、入院中が18名。



スパオオが瀬戸内海の島々を渡っただけでである。




ミツバチ達は、基本的に人間の害にならないように、気を使っているため、「群れが見られた。」くらいの扱いにとどまっていた。




目本テレビだけは、 そのスズメバチが「特殊なオオスズメバチ」と表現して、学者の先生からその特殊性と危険性を、たっぷりと視聴者に伝えたのである。

もちろん、ディレクターの取材の成果を含めて。

夕方6時からの「直球ニュース」は、予定を変更して一時間をたっぷり蜂の特集とした。


視聴者に対してのインパクトは十分だったはずだ。
そして「特殊なオオスズメバチ」の認識も与えたはずである。