「何してんのよ、こんなところで」

ヘッドホン首に掛け、少年知晄はケラケラ笑いながら葵と同じく空を見て言った。


「あー……まあ」


「無防備でこんなトコにいたらまた絡まれるぞ」


「心配してくれるならさぁ……」

俺の頭に突き付けている拳銃をなんとかしてくれないかな……と葵が心の中で呟くと、それが伝わったのか、知晄は「ああ」と、思い出したように拳銃を下ろした。


「大親友のオレじゃなかったら、今ごろあおの頭はズカン!だな」


またしても、知晄はケラケラと楽しそうに笑って拳銃をベルトへしまい込む。


「大親友は俺の頭に拳銃突き付けたりしねぇよ……」


「これはオレの一種の愛情表現なんだよ」


「あっそ……」



知晄は、力なく振り返った親友に向かってニコニコ笑った。