そして私の隣までくるとグランドを見渡した。

「君、名前は?」

「石因……」

「あっ、名字じゃなくて下の名前」

「…………奈留。」

私が名前を言うと彼は嬉しそうに軽くハニカンだ。


「俺の名前は南波紫音〈シオン〉だよ。
俺の事は紫音って呼んで!
後、奈留って呼んでいいかな?」


「好きにすれば…?」

「ありがとう、奈留。
奈留は他の女の子達とは違うんだね。」

「違うって………何が…?」

「ん? だって俺の事みた女の子達はみんな目をハートにしてすりよってくるから。
奈留は目をハートにしたり、すりよってきたりしないだろ?
だからだよ。」


紫音…先輩はそう言った。
よーするに“ナルシ”って事でしょ?

「ふーん…。」