祐樹は声を震わせた。 「『あんな箱』ってなんだ」 「あんな箱ってなんなんだよ!!!!!!」 もう人影はないが、猫がびくっとこちらに顔だけ向けて動かなくなった。 華子はこんな祐樹を見るのがはじめてだった。 いつも怒るとき、原因がどちらにあっても、 壁を思いきり殴ったり、 ため息ばかりつくのが祐樹のスタイルだった。 そんな彼がこんなに声を荒げるとは・・・・・・ 華子は息が止まった。