私は困惑していた。
だって、本来知られる筈のないこと。
牧田さえ・・・・
あの箱さえ・・・
そう思わないではいられない。
でも私には一生忘れられない、忘れてはいけないこと。
私のこの話は軽蔑以外、何を感じさせることができるのだろう。
この23年間私はそらの前できれいな母親だったと祐樹は言った。
沢山ふざけ合ったり、たまに罵声を浴びせ合ったりしたが、とても仲のいい親子だった。
壊すつもりなんていっこもない。
なのに、
なんでこんな・・・・・
私の胸の中に誰か風船を仕込んだ?
圧迫される。
破裂させないようにじわじわと
早くすっきりさせないように
23年の時間をかけて
ゆっくり膨らんできていた?
いや、起爆装置みたいだった。
あの頃の私とそっくりな
あの子に気がついたときから
スイッチがはいってしまっていたんだ。
仕掛けたのは
23歳の自分だ。