淳一郎が呼び出されてよかったと思った。 なんといっても今は考えなくてはいけないことがある。 ひとりでいろいろな可能性を想像する時間が欲しかった。 ………“はなこ”。 時計をみて、1時間位ならここでふけって待っていようかと もう一度椅子に腰を掛けた。 すると 「あのう」 と、髪の長い疲れ果てた顔の 女性に声をかけられた。 牧田夫人だ。