彼が挨拶に来たとき

放任主義だが“今風”を嫌う父は

多少のやきもちはしたものの

結婚をあっさりと承諾してくれた。


むしろ1年間の同棲をすすめたくらいだ。




反対に

いつも穏やかで寛大な母は

彼の職業を聞くなり

どこか明後日の方を見てみたり

濁してばかりで いい返事を出さなかった。


そういえば付き合っていると報告したときも

食器を洗っている手が止まって

お皿を手からすべらせたっけ