「あなた?

 私たち……何がいけなかったのかしらね?

 式を挙げなかったから?

 私があなたを縛り付けたから?

 不倫だったから??

 それとも……」


……私が、子供を産むと決めた時から既に、私たちの関係は壊れかけていた??……



夫人は大福を遠いごみ箱へ投げたが、かすりもせず、

無造作に転げ落ちた。


「あら……“あなた”まで私を嘲るのね……

 ……“あなた達”の間違いか……」


ほお杖をついて夫を見詰めた。

「ねぇ……憶えてる??

 私に言ったこと……

 初めて私が妊娠したって言ったとき、あなた……

 どうするの?って言ったわよね??」