「私は・・・・
自分が、汚いって思った。
だから・・・・・」
そらは淳一郎の眼をまっすぐ見た。
「だから、牧田さんの病室から出た後、
タオルを濡らして・・・・
リネン庫で隠れて身体を拭いて
だいぶきれいになったと思って
仕事を済ませて
・・・そしたら一気にだるさが襲ってきて
冷たいのが気持ちよくて・・・」
「それは・・・・・」
「君は婦長の前で倒れたんです。
そして、君のほてっている身体が
床の冷たさを気持ちいと思ったんです
・・今までずっと
・・・眠ったままで
・・・・・・・・」
なるほど、とそらは浅くうなずいた。
それで・・・・淳一郎は心配で泣いてしまった?
淳一郎はそらの内出血した腕をやさしく撫で
「何で、
汚いと思ったんですか?」
と曇った顔で言った。