淳一郎は器用に、光るものを落とさないよう努めながら
ふた言目を言った。
「2点目。
呼び出しがあって仕方なく
夜勤をしたんでしょうが
仮眠はしっかり取らなければ
いけなかったはずです。
婦長が深夜、君を捜したとき、
見当たらなかったそうです。
そして・・・・・・・・
白石?
何してる?」
淳一郎は小さな目を見開いて、そらの手首を掴んだ。
「・・・・・・・あ・・・」
そらは、今時分、自分の身体を執拗に強くこすっていたのだ。
淳一郎はそらの露出部を見て蒼白になった。
彼が来たときにはすでに寝かされていたもので
目につかなかったのだ。
いつからだろう。
特に腕は真赤なみみずばれ、内出血を起こしていた。
そして、そらは徐々に思い出し始めた。
「私・・・・・・・
確か・・
一通り、必要なことを済ませてから
えっと・・リネン庫にいた・・・・?
そこで・・・・身体を拭いてた・・」
自分に問い詰めるそらの両手を放さないようにしながら、淳一郎は、深刻な顔をして彼女の言葉を理解しようとした。
すると、そらは鮮明に思い出したのだ。