コーヒーを机に置き、床に散らばる書類を拾い集めてたら、フッと目にとまった1枚の書類――――私の履歴書だった。
ここで働くことが決まった日、持ってくるように言われ用意した。
よく見たら、学歴と資格欄に赤ペンで線がひいてあった。
やっぱ、こうゆうとこ見るんだ。
立派な学歴と、役立つ資格。
…中身なんて関係ないんだよね、結局。
嘘を書いたわけじゃない。学歴も資格も全部本物だ。
だけど…こんな紙切れで何がわかんのよ。ホントの私を知ったら…軽蔑するくせに。
そう思ってため息をついたら
「何してんだ?」
殿がお目覚めだった。