蓮司さんは灰皿にギュッてタバコを押しつけながらそう呟いた。
私は……言葉が出なかった。壮絶過ぎて、そしてあまりにも哀し過ぎて…。
「それからテッペーは家を出て、今でも絶縁状態らしい。
もちろん組も継がないし、何より父親のようになりたくないって。
弁護士になって、弱い立場の人や助けを求める人の役に立ちたいんだって」
「……すごい…ですね」
「だから…ちょっとサツキちゃんの事情は色々とタブーだったりして…あんな態度だったんだと思うんだ。
そんなわけだから…ごめんね。嫌な思いさしちゃって…許してやってね」