「それでもここで働かなきゃいけないのは、事情があるんだよね?サツキちゃん」


蓮司さんの優しい声が聞こえて、さらに涙腺を刺激するからもっと強く下唇を噛んだ。


「サツキちゃんが何でここで働いてるのかわかんないけど…ステージで踊るサツキちゃんは、ちっとも楽しそうじゃなかったよ」


「………!」


「きっと…いっぱいいっぱい我慢してがんばり過ぎて笑顔を…“自分”を忘れちゃったんだね」


悲しそうに寂しそうな顔をした蓮司さんはそこで一旦言葉を区切ると、私を真っ直ぐ見つめて


「自分を偽るのは辛いよね」


…そう言った。