すると社長は、底意地の悪い笑みを浮かべて


「嫌がらせ?…とんでもない。俺はただ…“自分より下の人間を助けて優越感に浸りたいだけ”だよ」


あの日の路地裏で吐いた私の暴言を、そっくりそのまま返すとロックウィスキーをグイッと飲み干した。


何も言えない私は社長を睨むことしかできず…だけで社長は一切取り合ってくれないし、蓮司さんはやれやれと言った風に傍観を決め込んでる。


店長はオロオロしながらみんなの顔色を窺ってた。でも最後には、どうにもならないと思ったのか、どうにでもなれと思ったのか…


「ごゆっくり」と言って去った。