「嘘吐け、お前の名前はサツキだろ?」
頭を下げる私に降ってきた言葉は、思いもよらぬ人からの私の本名で…
「…え…?」
間抜けな声と共に顔を上げたらそこには…ふん反り返ってソファーに座る社長と蓮司さんがいた。
「……え?何…で?」
「ごめんね、サツキちゃん。
とりあえず、目のやり場に困るからこれ着てよ」
と、蓮司さんが自分のスーツのジャケットを裸同然の私にかけてくれた。
状況が理解できずにそのままその場に突っ立ってると「座りなよ」と蓮司さんが促す。
だから、わざと2人から遠いとこに座って様子を窺うことにした。