カーテンから覗いた客席は信じられないことに全部うまってて、満員だった。


「お前が望んだことじゃなくても、みんなお前を見に来てんだ。

お前がNO.1になる日も近いぜ。そうなりゃ尚更、みんなのおかげだ。

ファンサービスと思って、しっかり舞ってこい」


そう言って、私の肩をポンッて叩いて店長は奥に消えた。


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重低音のきいたノリのいい音楽が響き渡る。


ドライアイスが焚かれたステージに立つ私を妖しい紫のライトが照らす。

沸き起こる拍手と歓声。

口々に叫ばれる「ラン」の名前