非常に残念なことに。

普通が通用しないと言うより、空気が読めないみたい。


「うん、迷惑なんて全然かけてないよ。

仕事もちゃんとしてるし、むしろ、こっちが助けられてるし!」


KY蓮司が、わざとなのか明るい声でそっとしといてほしい私をフォローしてくる。


それが余計にうっとうしくて、自分でも子供だな…って思うけど、意地でも顔をあげてやらなかった。


でも…KYだと思ってた蓮司さんは、KYなんかじゃなかった。


穏やかに、慈しむように、トゲトゲしてたものが洗い流されるような優しい声で…


「でもね…?」


って言って場の空気を変えた。