「…ホンッット、社長って失礼ですよね。

今までそんな事、誰にも言われたことありませんよ。

でも、もし仮に私の笑顔が嘘くさかろうと、それで社長に迷惑かけてますか?

仕事こなしてるなら問題ないでしょう?」


多分、この人に世間一般の“普通”って通用しない。

だから、こんなこと平気で言えるんだ。


もうこの話はしたくないし、何より放っといてほしいから敢えて冷やかに答えて視線を社長から外して手元の和紙に落し、作業を進めた。


……でも、やっぱり“普通”は通用しなかった。


しかも、普通じゃないのは社長だけじゃなかったみたい…。