バキッ!!
ドゴッ!!
「俺らに手ぇ出すとか、百年はえーんだよ。分かったらさっさと失せろ」
リーダーらしきヤツの胸倉を掴んでそう言った。
「ひい……い、行くぞ!!」
ヤツらはビビったのか、そのままその場から立ち去って行った。
「淳平!!」
「おー」
同じ不良仲間の大地が駆け寄ってきた。
「今のヤツ等、マジで相手になんなかったな」
「……ああ」
所詮、どこもそんなもんだろ。
なんたって、俺たちは全国でNo.2だからな。
「……つーか、まだ見つかんねーの?あの伝説の女、茅は」
「ああ。居場所すら分からねー」
伝説の女、茅。
全国No.1の族、黒薔薇の総長。
俺たち不良界の中では、常に"最強"と呼ばれてる女だ。
ケンカも最強でどこの族にも負けたことがない。
現に、あの女に勝ったヤツは誰も居ないって言われてるくらいだ。
その力は男でも勝てないらしい。
下手すりゃ殺されるともウワサされる。
だけど、不良のくせにちょー美人でスタイルがいいらしい。
俺たちもその女とケンカしたことあるけど、見事に完敗だった。
女とは思えない力で、次々と男たちをなぎ倒す。
俺もケンカしたけど、やっぱりその女には勝てなかった。
さすが、最強と呼ばれてるだけある。
いつかリベンジを果たすと約束したけど……一年前から、その女の姿は見えなくなった。
どこに居るのかも分からなくて探しようがない。
ずっと探してはいるものの、行方が分からなくなったことから、いつしかその女は"伝説の女"と呼ばれるようになった。
その女について分かることは……ケンカが強いということと、"茅"という通り名だけだった。
黒薔薇のアジトも分からなくて調べようがない。
一時は不良をやめたってウワサもあったけど、それも本当か分からない。
「……なあ」
「あ?」
「その茅って女、ほんとに不良やめたと思うか?」
「さあな。でもウワサだろ?もしかしたら、まだ不良やってるかもしれねーぞ?」
「……まあそうだけど」
「つーか、なんでいきなり姿消したわけ?」
「さあ。俺に言われてもなあ」
「……だよな」
マジで、なんでいきなり行方くらましたんだ?
おかしいよな?
あんなに有名なヤツが、いきなり姿消すなんて考えらんねーし。
姿消すとなると、なんか理由があるハズだしな。
……っくそー。分かんねー。
「おい。なんとしてでもあの女見つけ出すぞ」
「はあ?なんだよいきなり」
「なんとしてでも、ぜってー見つけ出してやる」
で、リベンジすんだ。