今日はその相手がいないという事で、悲しみに明け暮れながら机に突っ伏し、
先生達の性質を無視して、意識を夢と現実の境界線を行き来させるのが良し。
…だったはずなのだが、僕は敢えてそれをせず、真面目にノートと向かい合っている。
ただし、黒板と先生を見る気はさらさらない。
いわゆる内職というものに勤しみ、シャーペンを走らせていた。
ノートに書かれるのは、数列でも漢語でもなければ、先生のうなじでもない。
誰かさんのセリフの数々だ。
記憶にある限り、全て箇条書きにする。
箇条書きにし、手を止め、窓の外に目をやり物思いにふけると、またノートに視線を戻す。
『ふう』
心の中でため息をつくと、無意味な内職をやめ、前に向かって背伸びをする。
そして思う存分伸びきった後、ある事に気づいた。
睡眠効果抜群の先生の声が、止んでいる。
それは他の生徒たちも思ったらしく、皆似たようなタイミングで前方に目をやる。
それに少し遅れて、幾度も頭を頷かせていた若干名も現実に引き戻され、
寝ぼけ眼で慌てて前を見据える。
先生はまだ黙っている。
…嫌な間。
先生達の性質を無視して、意識を夢と現実の境界線を行き来させるのが良し。
…だったはずなのだが、僕は敢えてそれをせず、真面目にノートと向かい合っている。
ただし、黒板と先生を見る気はさらさらない。
いわゆる内職というものに勤しみ、シャーペンを走らせていた。
ノートに書かれるのは、数列でも漢語でもなければ、先生のうなじでもない。
誰かさんのセリフの数々だ。
記憶にある限り、全て箇条書きにする。
箇条書きにし、手を止め、窓の外に目をやり物思いにふけると、またノートに視線を戻す。
『ふう』
心の中でため息をつくと、無意味な内職をやめ、前に向かって背伸びをする。
そして思う存分伸びきった後、ある事に気づいた。
睡眠効果抜群の先生の声が、止んでいる。
それは他の生徒たちも思ったらしく、皆似たようなタイミングで前方に目をやる。
それに少し遅れて、幾度も頭を頷かせていた若干名も現実に引き戻され、
寝ぼけ眼で慌てて前を見据える。
先生はまだ黙っている。
…嫌な間。