もちろん、僕は授業中に寝たりなんかしない。


というか、寝る暇をもらえない。



今日は欠席の、隣の席の新山さんが、常に童心を忘れない子だからね。


授業中、絶え間なく飛んでくるルーズリーフに返事をしないと、

力加減も知らずに筆記用具で隣人(僕)を攻撃しちゃう、お茶目さんだから。



「………。」



自分で言ってて、アホらしくなった。



表現というものは難しい。



過酷な現実を少しでもソフトにしようと心がけてみたのだが、

それが裏目に出て、童話的ホラーなニュアンスになってしまった。



そんな事でしか気分のアップを図れなくて、

結果は"↑"でも"↓"でもなく、"→"と言ったところか。


朝のやるせなさが、今も付きまとっている。



まあ、ようはちさとは僕の隣の席で、

僕らは朝から放課後まで、ずっと手紙のやり取りをしている。



注意力散漫な先生の時は堂々と。


竹刀を指し棒の代わりに持ち歩く厳かな先生の時には、

消しゴムのケースに挟んでそれを床に転がしたりして、こっそりと行う。