どうして泣いてるのだろう。


どうしてそんな辛そうな顔をしているのだろう。



何故。

何を思って。

泣いているの??



ふと、我にかえる。


しまった!!仕事!!


私は、慌てて部屋に戻り、鞄を持って家を出た。


迦南さんが泣いていたことなんて忘れよう。

よくよく考えれば、迦南さんが泣いていたって、私には関係のないことだし。









「おはようございます!!遅れてすいません!」


「珍しいですね、椎葉さんが遅刻なんて。早く座って下さい。」

「はい。」


私が就職した病院はそこまで大きくなく、何処にでもありそうなごく普通の病院に勤めている。

そこの職場の人達はとても 良い人ばかりで私はとても恵まれていると思う。