今日の迦南さんは椅子に座ってただうつむいているだけだった。

そこにはいつもの迦南さんの明るい笑顔はなく、ただうつ向いているだけだった。

次の瞬間、私は目を疑った。


迦南さんの頬には一粒の涙がつたっていたのだ。


私は迦南さんのことなんて、

何も知らないただ隣ののマンションの住人。


でも、迦南さんがいつも笑っていたことは知ってる。


特に電話をしている時の迦南さんは凄く楽しそうに笑っている。


なのに、今の迦南さんは

凄く辛そうに

凄く悲しそうに。

泣いていたのだった。