その質問に界は明らかに動揺した。しかし質問として言葉になった以上、泉も礼二も詠乃もその答えが気になった。


「それはね、」


 盟の一言に、本人に視線が集まる。




「私が紅龍會総帥の娘だからよ」






 もう何を聞かされても驚かない自信のあったその場の者達、全員が驚愕した。


「私は幼心にも、自分が紅龍會と言う、一般人とは違う組織の人間だと自覚してたわ。父がその組織のボスである事も。
きっと界の両親にとって私は人質だったのかも知れない。私が居れば組織から逃げても、追っ手が手出しできないと思ったのかも。
でも私は日本に着いてすぐ、界のお父さんに孤児院の施設に送られて、伯方家とは離れた。
だから界の両親は……」


 盟が話し終えても、まだ全員が盟を見ていた。その視線と沈黙がどれほど盟の心を締め付けただろうか。


「そんで、お前、さっき言ってたよな?」


 界はイオをじっと見据えた。その視線にイオは「俺?」と自分を差して確認する。


「“まりは生きてる”って!! 俺の妹は今、紅龍會にいるのか!?」