しかし、子供というものには武器がある。可愛さというモノがね…。


首を傾げ、上目づかいで『ダメ?』と聞いてくる。


ヤバイ…ノックアウトされそう。






「ごめんね?杏お姉ちゃんは忙しいんだ」



!?


あたし答えてないよ!?



「僕と遊ぶからね」



………こんなこと言うのは、あたしが知る限り一人しかいない。



「「「キャー陸様〜〜〜!!」」」


後ろでは、お嬢様方とモデル達が黄色い声を出す。



しゃがみ込んでいるあたしに近づき…

「僕の杏、返してくれる?」と大樹君にニッコリと笑って言った。







「ヤダ。杏お姉ちゃんは、僕のものだもんっ」


さらに抱き着いて来る。