杏がいる場所に目を向けた。
「やっぱ囲まれてる。」
10人くらいの女達が、杏に詰め寄っている。
計画順調―…。
杏には悪いけど、もう少し我慢してもらわなければ。
「ずん胴ねぇ?」
ジロジロとあたしを下からなめ回すように見た。
「まるで…あの子みたいじゃない?ほら!アシスタントで来てた地味子!!」
「そうね(笑)」
モデル達がケラケラと笑う。
その地味子ですけどね、あたし。
すると、地味子のあたしの悪口大会が開幕した。
仕事出来ないとか、ノロマだとか。
ダサイだの…ブスだっただの…後ろにいるお嬢様方にも聞かせている。
今のうちに逃げようかなぁ…?と考えていた時、
「杏お姉ちゃん!!」
と呼ばれて、後ろから抱き着かれた。