川崎由華 高1

いつものように休み時間 決まったメンバーで喋ってた時 美優に言われたキツい一言。


「由華ってさ マジで彼氏出来たことないの?」

そう 私はこの15年間、彼氏というものが出来た試しがない


「本当だよ! 好きな人が出来ても告白とか出来ないんだよね」

初恋の人にも結局、想いを伝えないまま終わっていたんだ。


「やっぱ告白しなきゃ始まらないよ! …まあ、紹介で付き合ってるウチが言えることじゃないけど」

繭が言った。
繭は最近友達に紹介してもらった人と、付き合い始めたらしい。

でも私は、紹介で誰かと付き合おうとは思わなかった
自然に好きな人が出来て、その人と両思いになるのが夢だったから。


「まぁ 由華には純粋な恋して欲しいしね。そのうち絶対良い人見つかると思うよ!」

美優は結局最後にはこうしてフォローしてくれる。

こんな風に毎日、3人での何気ない会話が絶えなかった。


放課後 ホームルームが終わって帰ろうとした時

「川崎ー」


呼んだのは同じクラスの前田君だった


「何?」


男子とあまり絡まないせいで、こーゆう時少しビクっとしてしまう…


「俺の友達がさー
お前のメアド教えて欲しいらしいんだけど いい?」


…正直 話したこともない人にメアドを教えるのは好きじゃなかったけど、相手は隣りのクラスの人だったし、一応OKした



その夜 8時頃に携帯が鳴った。その人からだった。

「こんばんは。竹田光輝っていいます

メアド教えてくれてありがとう

前から気になってたんで、良かったらメールして下さい」


て書かれてあった。
こういうのも慣れてないから苦手だ

純粋に嬉しいけど、どうすればいいのか分からなかったから

好きな相手でもないのに、返信に時間がかかったうえに


ありがとう よろしく
とピース絵文字だけのそっけない返事で終わってしまった。