自転車が止まり
気付けば学校の駐輪場。


「あー、まじで遅刻ー
 由宇希のせーだかんな?
 ほら早く降りろって、走るぞ」


あたしがカタンと降りれば。
素早く鍵をかけた。
そして。
黙ってあたしの鞄と自分の鞄を手に取ってから
あたしの指と勇気の指を絡ませた。




「俺の手、離すなよ。」