「本当っ?」




思わず顔が綻んで。




「本当。
 てかまじで時間ねぇーって。
 早く乗れよ」



「う、うんッ」



自転車の後ろに跨って。
普通なら腰にしがみ付くとこだけど。
幼馴染という邪魔な壁が、
あまりにも分厚くて。




そんな邪魔なもの。
自らの手で打ち壊したいけれど、





とても固くて
とても冷たくて



打ち壊せないよ、、、、、





「・・・・何だよ、落ちたいのか?」


怒っているような声に慌てて
勇気の腰にしがみ付いた。