「だから、一緒に……勉強しよ?」


はずかしそうな微笑み。


「……うん」


オレは無意識のうちに頷いていた。


オレも好きだって、気持ち伝えた方がいいのかな……。


なんて迷っていると、


「バ~カ」


ふたたびの、悪夢。


「……え?」

「正平、今、完全に勘違いしたでしょ。

私は、初めて会った時から正平のこと『バカ』だと思ってたって言いたかったのよ」

「…………」

「ところで、正平、今、一緒に勉強するって言ったわよね」

「え、あ……」

「男に二言はない、よね」

「…………」

「じゃあ、始めましょうか」


愛はニヤリと笑って、自分の問題集にとりかかった。


……詐欺だ。


不満を抱きつつも、オレは渋々問題集を開いた。