次の土曜日、お守りを買いに行った。


「学業成就」で有名な神社の、お守りを。


お守りなんかで合格できれば、苦労しないのよ――。


そんな嫌味の一言ぐらい言われる覚悟で、


「これ、やる」


愛に差し出した。


愛はそれをじっと見つめてから、オレに視線を移した。


「……正平が買って来てくれたの?」

「まあね。ま、お守りなんてなくたって、大丈夫だろうけど」


恥ずかしさをごまかすために、オレは冗談ぽく笑ってみせた。


「……ありがとう」


愛は、静かにお守りを手に取った。


このまま消えてしまうんじゃないかと思わせるような、儚げな表情を浮かべて。


……もしかしたら。


いつもは強がっているだけで、これが本当の愛……なのかもしれない。


なんて、ふと、思ってしまった。