「……これ」


私の部屋に入るとすぐ、正平は恥ずかしそうに一輪のバラを差し出した。


「キレイ――ありがとう」


その美しさに見とれていると、


「ほんとはさ、……チューリップの花束にするつもりだったんだ」


テレかくしなのか、怒ったように言った。


「でも、16本しかなくて」


もしかして、19歳の誕生日だから19本にしたかったの……?


「だから、花束じゃないけど」




正平は、私の肩を抱き寄せて、




「……好きだよ」














キス、――した。


とても、優しく……。