「……申し訳ない」

「はい?」

「16本しかないんです。昼間、他の者が売ってしまったみたいだ」

「…………」

「16本じゃ、ダメなんでしょ?」

「……はい」

「そうだ。ちょっと待ってね」


おじさんは背を向けたが、すぐに振り返った。


「これを1本だけプレゼントするっていうのは、どうだろう」


差し出されたのは、ピンクのバラ。


まだ蕾のそのバラは、気品が漂い、1本でも十分存在感があった。


「じゃあ、それ、ください」

「このバラの花言葉はね、『恋の誓い』そして『美しい少女』」


おじさんはバラにリボンをかけながら、嬉しそうに笑った。


まるで、おじいちゃんが孫の恋を応援しているかのように……。