「っ!」
「おっと」
「里香さん!?」
縮こまっていると、里香さんが身を乗り出して佳代さんに掴み掛かっていた。
何故か嬉しそうにする佳代さんは、手を挙げて降参するみたいなポーズをしてる。
止めようとしても里香さんの力がすごくて振りほどけない。
どんな理由があろうと暴力はいけない。
私も頑張って力を込め、なんとか引きはがすことが出来た。
ただ、里香さんは変わらず佳代さんを睨んでいる。
「怖いねぇ、暴力反対」
「佳代ぉ……!」
「里香さん、落ち着いて下さいっ」
「………あんたがここまで腐ったやつだとは思わなかった。男盗られてイジメって………最低だぞ!」
「平たく言えばそーなっちゃうのかな?まぁなんでもいいんだけど」
「………っ、雛乃、行こう」
「でも………」
「……早く、支度してくれ」
佳代さんを盗み見るが、平然としていた。
……なんでこんな…。