「小鳥遊、無理しなくていいんだぞ?」

「違います。私は………私も、同じこと考えてたから」



振り返ると、意外そうにする村井君と目が合った。



「えっと、どこに行くといいんでしょうか……」

「………ふっ、こっちだ」



柔らかく笑う。
村井君の横顔がキラキラして見えた。

それを見ると余計に胸が跳ね上がる。
繋いだ手が汗ばむ。


ちょっと恥ずかしい。
………気付かれませんように。

ドキドキする胸を押さえながら、私たちは鐘が鳴る校舎を背にした。