「つーかお前の場合、色んなやつに声掛けて、掛けられて、俺のことがその他大勢の中に埋もれてるんだろうな」

「…………ごめんなさい」

「謝んなよ。俺が感情的になりすぎたっつーか、暴走しただけなんだからよ」


確かに村井君の言う通り、色んな方と接していたので誰が誰やら記憶が混合しているのもある。
でも私と歳の近い子なんてそうたくさんいたでしょうか?

…そういえば図書室で声を掛けて下さった、身奇麗な男性が一人いましたが……年上に見えましたし、ボサボサ頭の村井君とは全然違います。


「…まぁ、ちょっとショックだけど」

「すみません……」

「俺結構話しかけてた気するんだけどな。そんな印象薄かったか」

「うぅ………」


よく話しかけてくれた方と言えば、その男性と車椅子のおばあちゃんと松葉杖のおじさんと点滴を提げた女の子……くらい、ですかね。
どの方も村井君とは違います。