「はぁ……ったく、お前何やったんだよ」
「私がどうという話ではないハズなんですが……」
「は？お前が怒らせたんじゃないのか？」
「…………そう、ですけど。なんと言いましょうか………」
言えない。
本来ならこの話自体村井君にするべきじゃない。
でも昨日の村井君を思い出すと、言わなくちゃまた不安にさせてしまうんじゃないか心配になったから…。
「………まぁ言えねぇなら仕方ないけど」
「…すみません」
「しっかし、高見かぁ………あいつ本気で怒らせるなんて、なかなか難しいぞ？それも意図的じゃないなんてな」
「確かに、とても心の広い方ですからね」
「や、心は狭い。ただすぐ忘れるんだ、怒ってたことなんかぜーんぶ」
「そうなんですか？」
「あぁ。ぎゃあぎゃあ言うくせに次の日には何事もなかったみたいに話しかけてくんだぜ？こっちはまだ怒ってるっつの」
懐かしむように話す村井君は、小さく伸びをする。
やっぱり仲良しなんだなぁ…。
羨ましいです。
