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「…おはようございます」

「ぉ、おはよ」


手を上げて、笑顔で振り返る佳代さん。
ちくんと胸が痛む。
弱い自分が嫌。


「……でも、負けない」

「え?」

「佳代さん」


席に着き、姿勢を正す。
いつもより目が開いてるかも。
じっと佳代さんを見つめると、不思議そうに首を傾げてる。


「私は佳代さんが好きです」

「……随分ストレートな告白だね」

「前にお話して下さったこと、しっかり心に留めてあります。でも私は、今まで良くして下さったことが嘘だったとは思っていません」

「……………」