「私、さっきあいつらとも話してきたんだ」


里香さんはしんなりしてしまったポテトを弄ぶ。
一つ頬張って眉間にシワを寄せ、ぽつぽつと続ける。



「なんでもないとか、勘違いだとか、そんなことしか言わなかった」

「………はい」

「だからそれもあって、雛が正直に話してくれたの、嬉しかった」


苦笑いする里香さんは、傷ついているみたいに見えた。
友達に、あからさまに隠し事されたんだから。
それも辛いよね。


「美紀は前からそういうとこあったけど、まさかあの佳代がね…」

「そう、なんですか?」

「私にもたまにぐずってきたりするんだ。里香ばっかり佳代と話してるー……とか」


雛乃みたいにきっぱり言われたことはないけど。
里佳さんは小さく付け足して、苦く笑った。