それから私は、起きたこと全部話した。

美紀さんとのこと。
佳代さんとのこと。
…それと村井君のことを、少しだけ。




「…………そうか」



私が話す間、里香さんは短く質問を挟みながら聞いてくれた。
一通り話し終えジュースに口をつけると、もう氷が溶けていて水の味がひろがる。


「すべて私の主観なので、偏りがあったかもしれませんが……」

「村井はともかく、美紀や佳代のことは私には言いづらいもんな」

「……私、美紀さんのことも、佳代さんのことも、大好きです。だから、上手く言えなくて…」


きっと私がいけない部分も気付いていないだけでたくさんあると思う。
それなのに私だけ里香さんに話したら、お二人の印象を悪く言ってしまうみたいで嫌だった。
だからあまり話したくなかったというのもある。


「ごめんなさい。私、美紀さんと佳代さんのこと、悪い風に言ったかもしれません」

「そんなことない。…謝る必要もない」

「………ありがとうございます」

「ん」


そんなことは気にするなと笑ってくれる里香さんは、頼もしい。