「……で。何、話してたんだ?」

「話すというより、もっと一方的なものだったんですが……」

「………佳代のこと、か?」


喉がつまった。

里香さん、なんで……。
そういえば、美紀さんの勉強に付き合っていたはずなのに、どうしてここに?
自分のことで頭がいっぱいになってた。

そうだ、なんで里香さんはここに来たの?


「ぁっ………その、」


話そうとすると、横から店員さんが注文を届けてくれた。
ごゆっくりどうぞ、とマニュアル通り頭を下げられ、小さくそれに応える。


奇妙な沈黙が出来た。
言い訳しようかとか、嘘をつこうかとか、焦って視線が惑う。
変な間が出来てしまったせいで、どう切り出していいかわからない。


「………図星、だろ?隠すなよ」

「っ………」