「どーしたのぉ?雛ちゃん体調悪い?」


あ……―――。
血の気が引いていくのがわかった。


「顔が真っ青なんだ、保健室に連れてくとこ」

「なら美紀が連れてったげるよ!なんたってぇ………保健委員だから☆」


あくまで可愛らしい笑顔の美紀さん。
あぁ、保健委員の早乙女さんて、そうだ。
美紀さんのことだ。


「そうだったね、なら任せた。……雛、前も授業中に真っ青になったことあったでしょ?無理しないでな」

「ぁっ………」

やだ。
佳代さん、手を、離さないで。
私大丈夫だから、授業に出たい。
助けて、怖い。
離れた佳代さんの手を未練がましく追うと、横から美紀さんの手が出た。


「今度こそ、美紀がしっかりエスコートしてってあげる♪」


私は手を捕まれたまま教室の外まで連れられる。
頭の中は真っ白になり、ただ逃げたいという恐怖で胸がいっぱいになった。