新幹線を待つ大荷物を持った家族


母親の手を握る女の子の表情は暗く



父親の言葉は耳には入らない







駅員さんを振り払ってホームまで駆け上がり



叫んだ




りのん!









振り返ったキミは驚きとも泣くとも言える顔で


ボクに飛びつく





嬉しかった






耳元で何回もごめんと言う


ボクの耳に何回も、うん、と聞こえる






顔はお互いくしゃくしゃ

ボクは今まで言えなかったことを全部吐き出した



つまらないことで
一人にさせてしまったこと


ずっと会いたかった
しゃべりたかったこと


りのんが好きだということ




泣きじゃくりながら聞いていた

りのんもただ一言



るいが大好き


とだけ……