「ね、これ受けない?」


「どれ? って、え!?」


「どう? いいチャンスでしょ!
絶対受かると思うんだよねー!」


目の前に出されたのは
モデルオーディションの紙。

げ! あたしこうゆうの苦手
なんだよね。


「リ、リッカがでればいいじゃん!」


「いや、あたしなんか可愛くないし?」


それ、あたしのセリフでしょー!?
ココに自己PRとか書いてあるじゃん。
あたしは特技とかなんにもないし。


「何言ってんの! めっちゃ体柔らかいじゃん! キモいぐらいに。
得意でしょ?」


はいはい。キモくて悪かったねー。
っていうか、得意なワケじゃないんだけど。


「ねーお願いっ! この前欲しいって
言ってた漫画、全巻あげるから!!」


「ホント?」


「本当。タダであげるっ!」


確かあの漫画はリッカがすごく大事にしてた物のはず。なんでそこまでするの?


「・・・ねぇ、なんでそんなに受けて
欲しいの? そしてなんであたし?
リッカじゃダメなの?」


「それは・・・ね・・・」


何か大事なことを言おうとしている
リッカにあたしはゴクっとつばを
のんだ。