夏休みに入り、
映研の撮影も
夏休み前半で終わり、
コンクールへ出品する
フィルムの編集作業が
大詰めになっていた
私は、相変わらず、
バイトの毎日
編集作業は、東野先輩を筆頭に
男子部員がやっていたので、
夏休み中に、数回
行くだけだった
要は、女子部員は、フィルムには
触ってほしくないらしい…
男のロマンが詰まってる…とかなんとか、
東野先輩の格言?
夏休み中のお店は、
朝から、忙しかった
女子高生や、親子連れが
ひっきりなしに訪れ、
厨房も、ホールも
皆、動き回っていた
夕方になり、
ひと段落した頃、
しゃがんで
ケーキのショーケースを
整理してた時、
自動ドアが開いて
やけに、可愛いサンダルと
スラッとした足が目に入った
立ちあがると、
「優華ちゃん!」
「麻紀ぃ~ひさしぶりぃ~」
ショーケースの方へ近寄ってきて、
ケース越しに、
私の肩をポンポンと叩く
優華ちゃん…
ニューハーフだから、
力は、やっぱり男並み…
痛いんだけどな…
「う、うん、元気だった?」
「もちろんよぉ~
ねぇ、麻紀ぃ
今日の夜、時間ある?
私、今日お休みなの、
ちょっと、付き合わない?」
「あ、うん、いいけど…」
「ほんとっ?
じゃぁ、終わったら連絡ちょうだいねっ」
「わ、わかった…」
「じゃぁ、トロピカルフルーツタルトと紅茶
お願いしていい?」
「うん、じゃぁ、あっちの好きなトコ
座って待ってて」
相変わらず、
元気で、
私より、女の子、女の子してて、
可愛いんだもの…
羨ましいな…
優華ちゃんは、
持っていったケーキセットを
美味しそうに食べて
そして、
駅の近くのカフェで
待ち合わせることになり、
優華ちゃんは、
お店を出て行った