そして、

坂口くんの腕が、
私の背中に回り、抱き寄せられた…


「…俺に…
俺に、しろよ…麻紀…」


背中に回った坂口くんのあったかい手が、
私のカットソーを通して
伝わってくる


私は、抵抗することなく、
止まらない涙を拭いもせず
坂口くんの胸に顔を埋めた


坂口くんの背中の手が緩み、
私の頬を包んだ

と、同時に
坂口くんの顔が近付き、

あっと言う間に、
唇を塞がれた


優しく、
触れては、離れを繰り返し、
そして、
頬と目尻にも、
触れるようなキスを落とす


そんな、優しいキスに
私は、
酔いしれ、
坂口くんの、首に手を回していた…