車が停まった場所は、
山の頂上らしきところ…
駐車スペースが何台かあり、
そのうちの1つに停めた坂口くんは、
運転席を降りて、
助手席のドアを開けた
「麻紀、降りて…」
右手を差し出す坂口くんに
私の左手を預け、
助手席から降りる
「うわぁ! スゴっ!」
真黒な海の視界に、
無数の色とりどりの光…
感動して、何も言えなかった…
「スゴいだろ?
もっと上に行けば、広いスペースあるんだけど、
こっちの方が、俺は好きだから…
一度、麻紀に、見せたかったんだ」
私の隣で、輝く無数の光を見ながら、
坂口くんが言った
「麻紀…
陽介と、何かあったんだろ…?」
「え…?」
暗闇の中、隣にいる坂口くんは、
私の肩に手をかける
「平気なフリしてたって、
俺にはわかるよ…
溜めこんでないで、吐けよ
ココに俺がいない、って
思ってもいいからさ…」
やだ…
勝手に涙が頬を伝う…
「…か…も、」
「なに?どした?」
私の顔を覗き込む坂口くん
「…もう、ダメ…かも…
私と陽介…ムリなのかも…」
堪えてた涙が溢れた…